・最初に・・・

フトアゴヒゲトカゲの繁殖についてはすでに色々な雑誌やHPで詳しく取り上げられています。 ここではうちの例って事で、どなたにも当てはまるって訳ではありませんのであしからず^^;

・雌 雄
雌雄
      オス             メス
健康なフトアゴを雌雄そろえます^^; 雌雄判別はこちらを参考にしてください。
♂(左)には総排泄口上部左右にヘミペニスの膨らみがあります。その間は谷間の様に少し凹んで見えます。
それに比べ♀(右)にはヘミペニスの膨らみが無く、どちらかというと真ん中が少し盛り上がった感じです。
よく頭の大きさや形、顔つきなどで雌雄の違いが分かるなんて話がありますが、これには個体差が大きく、あまりあてにはなりません。
フトアゴは約5〜7ヶ月で性成熟すると言われ、だいたい1歳くらいで繁殖行動をとるようですが、できれば1歳半〜2歳位の方が良いと言われています。
親を健康に育て、特に♀はしっかりと栄養をとらせておく事が孵化率向上とベビーの育成率向上につながるようです。
・交 尾
交尾 フトアゴを交尾させるにはクーリングをする場合がありますが、必ずしも必要ではないようです。
クーリングは昼間の温度はそのままで、夜間の温度を15℃程度まで下げて行う場合が多いようですが、なかには昼間の温度も下げてほとんど冬眠状態にする場合もあるようです。
同居させてると冬場に気温が下がり勝手にクーリング状態になるので、意識しなくても勝手に発情し、交尾にいたる事も多いです。
交尾前には♂は喉を真っ黒にしてしきりにボビングし、♀はアームウェービングで応えるって姿をよく見ます。
交尾にはある程度のスペースが必要で、交尾しないようなら大きめのケージに入れるか、部屋に放すと交尾しだすなんて事もあります。
・産 卵
産卵
土はトンネルが掘れる位の量と湿り気が
あった方が良いです。
産卵
こんなルートで進んだようです。

産卵
無精卵だったためか、
穴の外に産んじゃいました^^;
交尾後25日位で産卵すると言われてますが、実際には色々です。
うちでは交尾確認後12〜20日で産卵って事もありました。もっともその前に交尾していたのかもしれませんが。
交尾後の♀は食欲が凄くなるので、しっかりカルシウムや栄養を採らせます。
産卵3日位前になると卵に内臓が圧迫されて餌を食べなくなったり、極端に餌の量が減ります。
水分補給だけでもしっかりしてやりましょう。

産卵が近くなるとしきりにカリカリと穴を掘る動作をしたり、バタバタと動き回って落ち着きがなくなります。そうなると産卵床に入れてやります。
黒土産卵床は深さのある衣装ケースに黒土を入れたものを使っています。穴を掘った時に崩れないよう水で湿らせながら固め、土の深さが20p位になるようにしてます。
5p程度の土を入れたタッパーをケージ内に入れて産卵床にする等の方法でも産卵はするようですが、土が浅いと穴埋めの際に卵を強く蹴飛ばし、潰してしまう事もあるようです。
できれば土の深さは30p位あった方が良い気がします。

産卵のための穴掘りを始めたらスポット等で穴の入り口を明るくしてやります。これは温度を下げないためと、暗くなると途中で寝てしまう場合があるのでそれを防止するためです。
しばらくはごそごそと穴を掘りながら奥へ進んでいきます。
適当な所まで掘ると体を反転させ、産卵を始めます。
産卵が終わったら土を奥へ押し込むようにしながら出てきて、最後は念入りに土を固めていきます。
☆念入りに土を固める様子(動画:WMV 639KB)
掘り始めてから産卵し、穴埋め完了までだいたい2、3時間程度かかります。
1回の産卵数は通常15〜30個位ですが、これは♀の体格等によるようです。うちのメスは全長40p位で20個前後の卵を産みます。
産卵後のメスは水分不足になっている場合が多いので、水分補給をしてやった方が良いようです。
・採 卵
採卵
左はすべて無精卵。右は9個が有精卵でした。

採卵
こちらはすべて無精卵でした。
産卵し穴埋めが完了したら♀親をケージに戻し、卵の発掘作業を行います。
土をあまり崩さないように気をつけて慎重に土を取り除き、卵が見えたら表面の土を優しくはらい、卵の真上側にマジックで印を付けます。
フトアゴの卵は柔らかい殻で覆われているので印を付ける時殻を破らないように気をつけます。
印を付けた卵から回収し、新たな卵が顔を出したらまた印を付け、すべての卵を回収します。

爬虫類の卵は上下を間違えると孵化しないと言われていますが、産卵直後の♀は卵を平気でけっ飛ばしたり転がしたりしますので、産卵後すぐに上下が決まるわけではないと思うのですが、決定までの時間がわからないので、一応掘った時の上下を変えないようにしています。

バーミキュライト 取り出した卵はタッパーに水を加えたバーミキュライト(小粒が良い感じです)を2、3p敷き、卵が半分くらい埋まるように並べていきます。
さらに保水のため水苔で覆ってやると良いみたいです。
水苔は質の悪いものがあって、卵に悪影響を与えてしまう事があるので注意が必要です。水苔を1週間以上水に浸けておき、電子レンジで消毒してから使うと良いようです。
卵を入れたタッパーはラップを被せて輪ゴムで止め、空気穴をあけて保管します。
ハッチライト先日、「ハッチライト」という床材が発売になりました。これは水分調節の手間が不要で、孵化率が向上すると謳っている製品です。次回は使ってみたいと思います。

慣れると産卵と同時に有精卵か無精卵のおおよその見分けがつきます。
無精卵の場合は、どちらかといえば大きさが小さく、黄色っぽい感じで付着した土が取りづらいです。
逆に有精卵の場合は大きく、白っぽい感じがしますが、この時点ではすべて保管しておいた方が無難です。
・保 温
保温 卵を保温するための孵卵器は市販の物が色々ありますが、うちでは市販の食器入れを利用しています。
食器入れの中にナイトランプとフィルムヒーターを設置して、サーモで28℃前後になるように温度管理するようにしています。
冷温庫最近では冷温庫を孵卵器代わりに使われる方もあるようです。
保温中の卵は3日に1回は状態を観察するようにし、乾燥させないように注水したりします。
ただし、あまり水分を多くするとどんどん卵が水分を吸って大きくなります。
大きくなり過ぎた卵は孵化率が悪い感じがしますので、乾燥させない程度のギリギリの水分量が良いのかもしれません。

フトアゴの性決定についてはこちら
・発 生
発生1

発生2
卵が有精卵の場合、産卵後3日もすれば胚(?)が発生し、キャンドリングすると血管も確認できます。
キャンドリングは卵の裏側から光をあてるという簡単なもので、卵に与える影響がほとんどないと言われています。
血管が確認できたら有精卵確定でしょう^^

2週間くらい経つと無精卵はしぼんだり、カビてきたりするので、他の卵に影響を与えないために取り除きます。
保温してると有精卵でもカビが生える場合があるので卵の成長具合等総合的に判断して、有精卵の可能性を感じたら卵を濡れたティッシュ等で拭いてカビを取ってやると良いようです。
フトアゴは卵の中で仰向けに丸まった感じで成長していきます。
(真ん中に見えるのは尻尾のようです。)
発生3
☆卵の中で動く様子(動画:WMV 385KB)
・孵 化
孵化

孵化
産卵後順調にいけば50〜70日後に孵化(ハッチ)が始まります。
孵化までの期間は保温温度によって決まります。温度が高いほど早く孵化します。

孵化の直前になると卵の表面に水滴が染みだし、卵がしぼんできます。
さらに卵の表面に亀裂が入り鼻先がのぞきだすと孵化開始です。ここから完全に孵化するまでかなり時間がかかります。
鼻先を出した時点で肺呼吸に切り替わるためか、しばらく体を慣らしているような感じがします。
この時点ではまだヨークサックをお腹につけてる個体もいるようですから、なかなか出てこないからといって、触ったり無理矢理出してはいけません。
そして待望の孵化\(^O^)/となります。
孵化したベビーはしばらくはじっとしてるようで、丸1日位は動かさない方が良いと聞いてたのですが、結構動き回るようになる個体もいて、あわててケージに移した子もいました。
なかにはヨークサックをお腹にぶら下げたまま孵化してくる子もいますが、しばらくすれば吸収されます。

孵化直後の子はまだ餌を食べません。2日〜1週間で餌を食べはじめます。
最初の1ヶ月は落ちる率が高いようですので、温度と湿度に気をつけます。特に温度は夜間でも25℃を下回らないようにした方が良いです。
☆産卵から孵化までの具体的例☆